NSAIDs

・感染症や、痛風など炎症を起こす疾患に広く使われます(作用機序編参照)。

骨折などの外傷、術後疼痛の他、腰痛、頭痛、生理痛などの急性疼痛に対して広く使われ、効果が認められています。急性疼痛に対しては第一選択薬として用いられることが多いです。

神経障害性疼痛(=神経の障害による疼痛)に対しても使用されることがあります(坐骨神経痛、帯状疱疹など)。ただし効果については十分なエビデンスが不足しており、効果が乏しいとする報告もあります。
 腰椎が原因で足の神経痛を起こす疾患(腰部脊柱管狭窄症)については、状態によっては短期間での使用が勧められています。

・いずれの場合も胃腸障害、腎障害などの副作用を考慮し、長期間の服用を避けることが勧められます。

参考文献
・日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、 腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン策定委員会編(2021)『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン 2021』 南江堂 2021.
・Amaechi O et al. Pharmacologic Therapy for Acute Pain. Am Fam Physician. Am Fam Physician. 2021 Jul 1;104(1):63-72.
・Moore RA, Chi CC, Wiffen PJ, Derry S, Rice AS. Oral nonsteroidal anti-inflammatory drugs for neuropathic pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015.

アセトアミノフェン

POINT

基本的になんでも鎮痛効果あり。場合によっては効果が弱いこともある。

・疼痛を起こす疾患に広く使えます

・炎症性疾患、外傷や手術などの急性疼痛での効果が認められています。

・変形性関節症、慢性腰痛、腫瘍による疼痛などの慢性疼痛に対しても広く効果が認められています。

・急性・慢性腰痛に対しては、使用を推奨しないガイドラインもあるが、胃腸障害のある患者などでは使用が考慮されます。また、重度の関節変形や強い癌性疼痛では、アセトアミノフェン単独の使用では効果が不十分なこともあります。この場合も、他のタイプの鎮痛剤にアセトアミノフェンを追加することで鎮痛効果を増すことができます。

参考文献 Paracetamol: A Review of Guideline Recommendations. J Clin Med. 2021