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作用により分類したまとめ表
薬のタイプ | 作用のしかた | 代表的な薬品名 | 内服例 | 薬価 1錠あたり(円) |
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NSAIDs | COX阻害による抗炎症・解熱・鎮痛作用 | ・ロキソニン ・ロキソプロフェン ・セレコックス | ・ロキソニン、ロキソプロフェン:3錠/日 朝昼夕 ・セレコックス:2錠/日 朝夕 | ・ロキソニン錠60mg: 11.0 ・ロキソプロフェン錠 :9.8 ・セレコックス錠100mg:38.9 |
アセトアミノフェン | 痛みシグナルの下行抑制系を活性化させる | ・カロナール | ・カロナール錠200mg:6錠/日 朝昼夕 | ・カロナール錠200mg:5.9 |
プレガバリン・ ミロガバリン | 痛みを伝える神経伝達物質の放出を抑制する | ・リリカ ・タリージェ | ・リリカ錠25mg:4錠/日 朝夕 ・タリージェ錠5mg:2錠/日 朝夕 | ・リリカOD錠25mg:45.2 ・タリージェ5mg:100.4 |
NSAIDs (Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs): 非ステイロイド系抗炎症薬
POINT
・COX阻害による抗炎症・鎮痛作用を発揮する
作用機序
生物の体の中では、様々な酵素のはたらきで化学物質が合成(や分解)されていきます。一連の合成の流れをまとめて経路(=カスケード)と呼びます。
その一つ、アラキドン酸カスケード、という経路ではシクロオキシナーゼ(COX)という酵素により、プロスタグランジンなどの物質が合成されます。その中でも特に、プロスタグランジンE2(PGE2)は炎症誘発物質・発痛増強物質であることが分かっています。
NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、プロスタグランジン類の合成を抑制し鎮痛・解熱・抗炎症作用を発揮します。
アセトアミノフェン
POINT
中枢に働き、痛みを抑えるシグナルを増強させる
作用機序
「痛みのシグナル」は、末梢神経から ⇒ 脊髄 ⇒ 脳 へと上行性に伝達されます。
一方で 脳から ⇒ 脊髄 へ「痛みを抑制するシグナル」を伝達する経路があります(下行性抑制系)。
アセトアミノフェンは、カンナビノイドやセロトニンといった物質が関わる伝達経路等に働きかけ、下行性抑制系を活性化させる、という報告があります。アセトアミノフェンの鎮痛効果の作用機序については未だにはっきりとわかっていない部分が多くありますが、この下行抑制系の活性化により鎮痛効果をもたらすと考えられます。
アセトアミノフェンにもCOX阻害効果があるという報告もありますが、NSAIDsと異なり主に中枢にあるCOXに作用すると考えられています。そのためNSAIDsと違い、臨床上意味も持つほどの抗炎症作用はありません。
参考文献:Systematic Review of Systemic and Neuraxial Effects of Acetaminophen in Preclinical Models of Nociceptive Processing. J Pain Res. 2021
プレガバリン、ミロガバリン
POINT
疼痛に関わる神経伝達物質の放出を抑え、神経障害性疼痛に効果がある
作用機序
神経細胞は、隣り合う細胞同士で疼痛などの情報を伝えていく仕組みを持っています(この接触構造をシナプスと呼びます)。ここで疼痛に関わるシグナルを抑制できれば、疼痛を抑えられることになります。
シナプス内の神経細胞の膜上には、カルシウム(Ca)イオンの通り道であるCaチャネルが発現しています。チャネルとは細胞の内外をつなぐトンネルのようなものです。このトンネル(チャネル)を通って神経細胞にCaイオンが流入すると、神経細胞が興奮し、痛覚の伝達に関係する神経伝達物質が放出されます。
プレガバリン、ミロガバリンは、Caチャネルに結合して神経細胞内へのCaイオンの流入を阻害し、神経伝達物質の放出を抑えることで鎮痛作用をもたらします。
そのためこれらは神経障害性疼痛に特に効果がある薬とされています。神経障害性疼痛とは神経の損傷や機能異常によって起こる痛みを指します。